ニキビ跡治療とは赤ニキビ、黄ニキビなどの炎症性ニキビの後に残る色調の変化（色素沈着や赤み）や形状の変化（凹凸、クレーターなどの傷痕）などの後遺症を整容的に改善させる治療になります。従って、これらの治療は保険診療の処方薬では改善しません。

ニキビ後の持続するしつこい色素沈着に対してピコレーザーを低出力で照射する施術です。ゆっくりくすみを改善していく治療になります。ピコトーニングの後にはエレクトロポレーションでのビタミンC＋トラネキサム酸の導入をおすすめしています。

パルス色素レーザー（PDL）とロングパルスのNd:YAGレーザーを単独あるいは同時照射　できるレーザー複合機器になります。国内でも導入数は比較的少ない機器になります。毛　細血管拡張や血管腫、全体の淡い赤みに対してアグレッシグにアプローチする治療になり　ます。スポット照射と中空照射によるレーザーフェイシャルの施術方法があります。

当院では２種類のフォトフェイシャル（M22あるいはE-max)のいずれかで施術しています。複数回かけて少しずつニキビ後の赤みや色素沈着を改善していく治療です。幅の広い波長域の光を顔全体に照射することで、しみ・そばかす、赤ら顔、小ジワ、毛穴の開き、ニキビ後の赤みや色素沈着などの幅広い症状の改善にも効果的です。また、コラーゲンの増生を促し、ハリのある若々しい肌へと導きます。光の熱作用でアクネ菌が殺菌されたり、皮脂分泌の抑制などの効果もあります。

器具を用いた手作業によるプラズマ・サージェリーとレガートⅡという機器を用いた機械作業によるRFプラズマをお悩みに応じて使い分けています。プラズマにはターンオーバー促進やコラーゲン増生、ニキビ菌の殺菌作用、薬剤導入促進など様々な効果が知られています。手作業のプラズマ・サージェリーは主にボックスカー型ニキビ跡の改善に用いています。

皮膚表面はほとんど傷つけずに皮膚内部に極細針の先端から高周波（ＲＦ）を照射する治療です。ＲＦを照射することで角栓・コメドの改善、赤にきび・黄にきびの殺菌効果、皮脂腺縮小効果、コラーゲン増生によるニキビ跡の改善が得られます。主に赤みを伴う比較的新しいニキビ跡の改善と同時に炎症性ニキビがまだできる方に適した治療です。

従来の針で行うサブシジョン（剝離）と高周波（RF）照射を同時に行うことができるため、サブシジョンRFとも呼ばれています。先端の丸いカニューレを皮膚内に挿入し、瘢痕部の線維成分を剝離・カットし、さらに陥凹部の下部から直接加熱することでコラーゲン増生を促します。癒着を伴うローリング型ニキビ跡のみが適応となります。吸収される充填剤（ヒアルロン酸）よりは脂肪注入やエクソソーム製剤の併用をおすすめしております。

アイスピック型ニキビ跡に対して６０－１００％の高濃度トリクロロ酢酸（TCA）をピンポイントで塗布する局所のハードピーリング です。ニキビ治療で使用するようなサリチル酸マクロゴールやグリコール酸よりも深層（真皮）まで到達しコラーゲン増生を誘導するため、ニキビ跡治療での有効性が知られています。TCAは強力な酸であるため医師が適切な濃度で安全に行う必要があります。より高濃度で用いた方が深層まで到達するため効果も高いのですが、施術後の色素沈着や赤みも長引くため重症度と許容できるダウンタイムを相談の上、濃度を決めていきます。

ダーマベン４を用いてお肌全体に極小の孔を無数にあける施術（マイクロニードリング）を行った後に、ご自分の血液から血小板を抽出し、そこから高濃度に凝縮・活性化させた粉末の製剤（PFC-FD)を浸透させるご自身のオーダーメイドの再生医療になります。１回の採血で６回分の施術が可能になりますが、保存期間が半年となりますので月１回のペースで連続６回受けていただきます。古いニキビ跡の方、重症ニキビ跡の方が最初から始めるべき治療ではありません。どちらかというとかなり治療を経験され、なだらかに残る凹凸の肌質をさらに改善させたい方向きの再生医療になります。

ニキビ跡で悩む方はボックスカー型、アイスピック型、ローリング型、毛穴の悩みを併せ持った方が多いです。基本的にはプラズマ治療（手作業）＋CO2フラクショナルレーザーを治療の軸としていますが、必要に応じてサブシジョンやTCA（CROSS）などを併用して一度に施術を行います。ダウンタイムと治療コストの点でご了承いただけた場合に限り、専門医師に一任していただいて施術しております。

米国FDA承認の専用キットを使用して、外気に触れないように脂肪吸引で採取した脂肪を遠心分離して濃縮します。そして死んでいる脂肪細胞や老化した脂肪細胞、脂肪の断片など、余分な水分や不純物を除去することで新鮮な脂肪を濃縮し、生着率の高いコンデンスリッチファット（CRF）を作成します。この過程を踏まえることで注入後のしこり、脂肪壊死、石灰化のリスクを減らすことができます。また、CRFはおでこやあご先、こけた頬、目の下のくぼみなどのボリューム形成に優れた美容効果をもたらします。さらに専用の器具を使い、細かく微細な脂肪（マイクロCRF、ナノファット）にすることで浅い小じわや目元のハリ、皮膚全体の肌再生が可能です。マイクロCRFを注入と併用してダーマペンを行うことで肌質改善、ニキビ跡の改善の効果も得られます。生着率が高い治療ですが、ボリュームは数カ月たつと少し減少してきます。効果不十分の場合は半年程度あけて再度施術することは可能です。ニキビ跡治療で用いる場合には粉砕処理した自己真皮組織も併せて注入します。

国内の専門の細胞加工施設において厳しい管理下で製造されたピュアエクソソームを使用しています。韓国製ではなく、日本製の純度の高いものを使用しておりますので普及している安価な製剤よりは治療費が高額となります。しかし、薄毛治療、しわ・たるみ、クマ、ニキビ跡の改善、脂肪注入の生着率向上などの面において優れた美容効果を得ることができます。他の治療と併用した注射あるいはダーマペンとの併用で使用します。